デイヴ・ブルーベックの隠れ(?)名盤『サザン・シーン』

2021年1月5日

こんにちは。

基本的には音楽制作について投稿しているこのブログですが、それだけでは更新が滞ってしまいそうなので、たまにはちょっとしたレビューみたいなものも書いていこうと思います。

今日ご紹介するのは、「テイク・ファイブ」でおなじみのデイヴ・ブルーベック・カルテットの『サザン・シーン』。実は、「テイク・ファイブ」が収録されているアルバム『タイム・アウト』と同じ1959年に録音されたそうなのですが、あまり知られていない気がします。かくいう僕も、少し前に買ったブルーベックの廉価ボックス(メンブランから発売)を聴いているときに偶然出会いました。

で、どんなアルバムかというと、タイトルにもあるように、アメリカ南部のいわゆるルーツ・ミュージックをテーマにしているんですね。1曲目の「おお、スザンナ」や、4曲目の「金髪のジェニー」といった、日本でもよく知られているナンバーも入っています。

ノリノリの曲からリラックスできるようなナンバーまで、バランスよく収録されているので聴いていて楽しいです。アレンジもブルーベックらしいですし、いつものカルテットのメンバーの呼吸もぴったりです。

ちなみに、アルバムのタイトル曲である「サザン・シーン」はブルーベックのオリジナルのようですが、冒頭のソロからひきこまれます。タッチ自体はけっこう強靭なのですが、決してうるさくなく、むしろ美しいです。こんなピアノが弾けたらいいなあと憧れます。

原盤はアメリカのコロンビアです。1959年の録音ですが、このカルテットの演奏を楽しむには十分です。サウンドは、まあ同じ人たちだから当たり前なのですが、同年に録音された『タイム・アウト』にかなり近いものがあります。曲によっては定位がかなりはっきりしており、ソロの部分でもピアノが思いっきり右に振られていたりして面白いです。

デイヴ・ブルーベック・カルテットによる『サザン・シーン』、おすすめです。

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1 Oh, Susanna 2:36
2 When It’s Sleepy Time Down South 5:50
3 Little Rock Getaway 3:17
4 Jeannie With The Light Brown Hair 2:25
5 Deep In The Heart Of Texas 3:17
6 At The Darktown Strutters’ Ball 1:36
7 Nobody Knows The Trouble I’ve Seen 5:55
8 Happy Times 2:35
9 Darling Nellie Gray 5:15
10 Southern Scene 5:40


Arranged By – Dave Brubeck (tracks: A1, A4, B2, B4)
Bass – Eugene Wright
Drums – Joe Morello
Piano – Dave Brubeck
Saxophone – Paul Desmond
Written-By – Dave Brubeck (tracks: B5), Don Swander (tracks: A5), Eugene Wright (tracks: B3), Joe Sullivan (tracks: A3), Shelton Brooks (tracks: B1), Stephen Foster (tracks: A1, A4)