ジュディ・ガーランドがOver the Rainbowを歌うとき
先日、偶然にもYoutubeでクレージーキャッツの植木等さんが出演していたテレビ番組(植木等デラックスというらしいです)がアップされているのを視聴しまして。その中でとても心に残る話があったのでお伝えしたいと思います。
植木さんが話題に出したのは、ジュディ・ガーランド。
彼女は、「Over the Rainbow」を歌うとき、聴衆が涙を流すことをとても大切に思っていたようです。
あるとき、一人のジャーナリストが彼女にこんな質問をしたそうです。
「あなたはいつも、『私は不幸だ、私は不幸だ。』と言うけれど、あなたのような幸せな人がなぜ自分が不幸だと言うのですか?」
この問いにジュディは、
「私が今幸せだと言ってしまったら、Over the Rainbowを歌ったときに聴衆は感動してくれない。」
このように答えたといいます。
このエピソードを植木さんが話しているのを聞いて、ものすごく考えさせられました。
果たしてこれがどれくらいの歳のときの話かは分かりませんが、その後結局彼女は薬物中毒や神経症におかされ、47歳で亡くなったわけです。ジュディにとって歌うとは、そして、聴衆を感動させるとはどういうことだったのか。
そんなことを思いながら「Over the Rainbow」を改めて聴くと、今まで以上に胸に来るものがありました。
なんとも考えさせられた、寒い寒い冬の夜でした。